市長選挙

【沖縄県宮古島市長選挙の情勢 2021】と「オール沖縄陣営」及び「政府・与党陣営」

沖縄県の2021年は、政治の観点からすると、「オール沖縄陣営」と「政府・与党陣営」が対決する機会となる選挙の多い「沖縄選挙イヤー」です。

そして、その初戦が宮古島市の市長選挙と市議会議員補欠選挙です。

しかし、前回2017年の選挙では激しい争点となった「陸自配備」の賛否には「触れない選挙」となっており、住民が置き去りにされた観があって残念です。

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【沖縄県の選挙情勢 2021】宮古島市長選挙における「オール沖縄陣営」と「政府・与党陣営」

沖縄県の政治には、現在、大きく2つの陣営・勢力が存在します。宜野湾市の米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設を巡り「玉城デニー知事」を支える【オール沖縄勢力陣営】と、これと対立する【政府・与党側の陣営】です。そして、県内の市町村選挙の度に、両勢力がぶつかり合う構図となっています。

そして本年2021年は、1月に宮古島市、2月に浦添市、4月にうるま市、秋までに衆院選と、沖縄県にとっては「選挙イヤー」となっています。

なので、今般の「宮古島市」の選挙(宮古島市長選挙)は、その開幕戦・初戦となるので、両陣営は「絶対落とせない戦い」として位置づけている情勢です。。

【2021年1月17日】宮古島市長選挙の情勢と「陸上自衛隊の配備」

6つの島からなる宮古島市、その中心となる宮古島には1972年の本土復帰後から航空自衛隊の分屯基地が置かれています。

その後、2019年3月、政府は海洋進出を拡大する中国を意識した南西地域の防衛体制強化の一環としてゴルフ場跡地で陸自駐屯地を開設し、地対空・地対艦ミサイル部隊や警備部隊約700人を配置しており、さらに、2019年10月からは島東部の鉱山で、弾薬庫の建設を進行中。

ものものしい基地化が進む中、宮古島市は、【陸上自衛隊の配備】への「反対派」と「賛成派」に分かれ、2017年1月の前回の市長選(2017年1月)では、「賛成派」対「反対派」の戦いとなりましたが、賛成派の現市長が勝利しています。

そして、今般、2021年の市長選挙では、「反対派」の擁立があるものと思われたところ、玉城デニー知事を支える「オール沖縄」陣営が擁立した新人は、現職共々、公約や主張で【陸自配備への賛否】には触れていません。

  • 新人の座喜味一幸氏は「市政刷新」を求める。
  • 現職の下地敏彦氏は「市政継続」を訴える。

座喜味氏は、かつて、沖縄県議会の自民会派に所属しており、氏を擁立した「オール沖縄」の「政敵」だあった過去があります。しかし今回、革新票に加え保守票の取り込みを狙っての擁立となっています。

こんな過去の情勢も、「陸自配備反対!」とはならない理由のようですが、宮古島市の「反対派」の住民からしてみれば、かつて島を二分した論争が立ち消えとなってしまう虚しさに心を痛めているとのことです。

参考記事:置き去りにされた自衛隊配備反対 前線基地化の不安 沖縄・宮古島市長選、論戦なく

政争が優先されて、住民が置き去りにされかねない政治の行方が懸念されるところです。