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総合経済対策および財政構造改革についての荒木の質疑
(5月25日 行財政改革・税制等に関する特別委員会)
up-date 1998.6.14
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荒木清寛君 公明の荒木清寛でございます。
私ども公明の愛知、岐阜、三重の三県青年局は青年層を対象としまして怒りの声のアンケート調査を実施いたしました。二十代、三十代の青年十万人に働きかけをいたしました。それを集約しまして千六百人の分を標本として分析したんです。そうしましたら、一番多かったのがやはり政治への怒り、無関心ではなくて政治不信であると私は分析をしたわけです。その中に首相に言いたいという厳しい意見もたくさんありましたので、そのうちの一部を紹介します。
橋本さん早くやめろ、会社が仕事がなくてつぶれてしまったやないか、男性二十四歳。橋本首相は責任逃れぱかりしている、大会社が倒産する世の中で自分の会社も心配だ、景気を本当によくしようとしているのか、男性二十三歳。橋本首相には本当に危機感があるのか、本当に国民のことを考えているのか、男性三十三歳。橋本内閣になってから日本全体が暗過ぎる、早くやめて、女性三十一歳等々でございまして、私はこういう青年の慎りの声というのを総理には謙虚に受けとめていただきたい、そう思います。
そして、この現在の景気の悪化によりまして最も深刻な影響がありますのが雇用と失業でございます。先ほどからもお話があります。本年三月には史上最悪の失業率三・九%、完全失業者数は二百七十七万人、また学校を卒業して職がなくて失業している学卒未就職者ば昨年三月に比べて七万人増の二十六万人と、これも過去最高でございます。
この背景を考えますと、若干景気回復の基調が見えてきました昨年に財政構造改革という旗を掲げまして、消費税を五%引き上げ、医療費の自己負担分を倍増する等々、九兆円に及ぶ国民負担を強行した、また財政構造改革法を成立させたという橋本内閣の政策判断の間違いである、私はそのように思います。
総理は子供や孫の世代にツケを残さないと言われてこうした政策を遂行してこられたわけでありますが、その結果、現に今生活している国民の皆さんが仕事を失い、職につけないという事態になってしまったわけでありまして、まさにこれは本末転倒であります。総理はこういう大きな責任をどうおとりになるつもりですか、まずお答えください。
国務大臣(橋本龍太郎君)
御党として国民の声を集められ、それを抽出し、その中から要約して御紹介いただきました御意見は真剣に聞かせていただきました。その上で、景気という一点に絞り、今それをまた雇用という問題に集約して御意見を組み立てられました。
一点、私、これは別に揚げ足をとるんじゃありません。消費税を五%引き上げたと言われましたけれども、消費税は二%引き上げたのでありまして、税率が五%になった。これはテレビを見ていらっしゃる方に誤解されては困りますので、その点だけはきちんと申し上げたいと思うのであります。
その上で、今、議員から…、(発言する者あり)今真剣にお答えしようとしているのです。質問者に対してお答えをするのでお聞きをいただきたいと存じます。
先ほど申し上げましたように、私自身、特に若い方々の失業率の高まりというのが本気で気になっております。高年齢の方々に対してややもすると職をなかなか与えない、そういう癖が前からこの国にはありまして、これ自体が問題でありましたけれども、失業者数に対し有効求人倍率が若年において一・Oを下回ったということは、今まではまだ多少自分が好きでない職を選べばチャンスがあるということであった雇用情勢が、本当にそれでは済まなくなった。その意味での深刻さは極めて大きなものととっております。そして、今回の総合経済対策の中にも雇用についてのプログラムを持っておることは議員も御承知のとおりであります。
その上で、私どもは今、この財政構造改革法につきましても、特例公債発行枠の弾力化等の修正を加え、御審議をいただこうとしているわけでありますが、私どもとしては、こうした事態を回復するために全力を挙げて努力をしてまいり、その中で自分の責任は果たしていきたいと考えております。
荒木清寛君 総理が雇用問題に真剣に取り組んでおられるということは私も理解をしました。
しかし、私がお聞きをしたいのは、こうなったことについての政策判断の誤りの責任をお認めになるんですかということなんです。
先ほど来経企庁長官は、昨年の秋から景気は厳しい状況になったということがございました。つまり、山一証券、三洋証券、北海道拓殖銀行、十一月に三つの金融機関の破綻が相次いだ。また、そのころにはアジアの通貨危機、経済危機がますます深刻になってきまして、経済の先行きに対する信頼感か低下したのが十一月である。そういう答弁でございました。
日本経済がそういう重大な局面にあるときになぜこの財革法を成立をさせたんですかということを私はお聞きしたいんです。その結果において、超緊縮予算を組まなければいけない、ますます景気に水をかけてしまうんではないか。 つまり、総理は当時、将来の財政再建に真剣であったということは私もわかりますが、それにこだわる余り、目先の経済や景気の動向について気配りが足らなかったんではないですか。そういう政策判断の誤りというのばお認めになるんですか。
国務大臣(橋本龍太郎君)
今現実の経済情勢の中から御論議をいただけば、私はその御批判は甘受しなけれぱならないと思います。
経済企画庁長官も先ほどいろいろ述べておりましたように、本年に入りましてから発表されました十−十二のQE、あるいはニ月の失業率、日銀短観、こうした新たな経済指標によって議員が今述べられたようなことが裏づけられたわけでありますが、私どもとしてその間、確かに財政構造改革の必要性というものを真剣に考えておりましたし、同時に、それは財政構造改革だけにこだわっていたつもりはございませんけれども、今から御批判を受ければ、その御批判は甘受しなければならない部分を多く持っているであろうということは、私もそのとおりに受けとめます。
荒木清寛君 今、甘受しなければならないという、そういうお答えでした。十一月二十八日に財革法が成立しまして、総理はそのわずか十九日後
の十二月十七日に、九年度補正予算で二兆円の所得税、住艮税の特別減税を行うという記者会見をされました。つまり、ある意味では一貫性のないことをやっていらっしやるわけです。財革法の成立によって、今後赤字国債は減らしていきますという宣言をして、わずか半月後にその赤字国債を使っての減税をやりますと。つまり、その時点においてもう既に総理がちょっとこれは政策判断に誤りがあった、そう気づかれたから私は十二月十七日にあえてそういう御決断をされたんだと思います。
先ほど、甘受されますと言われましたのでそうお聞きしておきますけれども、そうであればなぜ、私に言わせたら、その時点で総理はみずからの判断の誤りに気づいていらっしゃったんですからなぜもっと適切な対応がとれなかったんでしょうか。要するに、今財革法の改正案を提出されています。私はこの改正案は不十分だと思いますけれども、しかしそういう決断をされるのであれば、なぜこの十二月の時点でといいますか、本年度の予算が成立する前にこういう思い切った改正に踏み切れなかったんですか。
国務大臣(橋本龍太郎君)
今どう申し上げたらいいのか、とっさに困りながら立ちましたが、ちょうど十一月、APECの非公式首脳会合が行われる直前、山一の破綻が表面化をいたしました。そして、ASEANの何十周年でありましたか、ちょっと今とっさに思い出せないんですが、何十周年かを記念し、ASEANのリーダーと中国、韓国、日本、それぞれの代表者の会合がございました。そうした中で私なりに判断をいたしましたのが特別減税の復活であり、またその特別減税の復活を含め昨年度補正予算の作成でありました。そして本年、通常より国会の召集を早めていただき、衆参両院に御協力をいただき、まずこれらの法案から審議にお入りをいただき成立をさせていただいたこと、御記憶のとおりであります。
荒木滑寛君 もう少し詳細にお尋ねをいたします。
十二月十七日に特別減税の復活を決意されました。私は、これは総理の心境としては財政再建一本やりではだめだ、景気対策も重視しなければいけないというお考えだったと思います。しかし、一方で財政構造改革法はそのままにしまして、公共工事は七%カットする、福祉は圧縮をするという予算編成をして提案されたわけです。
つまり、一方でそういう特別減税というアクセルをちょっと踏んだと思ったら、今度はまた十年度予算におきましては急ブレーキを踏む、そういうちぐはぐな対応をされたわけでありまして、そういうことをすればもうこの特別減税の効果も相殺されてしまって景気を一層冷え込ませてしまうんではないか、そういう御懸念は持たなかったんですかということなんです。だから、その時点でもっと思い切った、今回のようにとは言いませんけれども、今回でも不十分だと思いますが、そういう決断がなぜできなかったのか。
国務大臣(橋本龍太郎君) なぜできなかったのか。まさに特別減税を決断し、補正予算の御審議を願い、そして平成十年度予算、それなりに工夫をし、その当時として最善を尽くした予算として編成をし、政策減税等を加えてまさに国会の御審議をお願いしたわけであります。
荒木清寛君 私は、平成十年度予算が成立する前に総理がもっと思い切った措置をとっておられたら今回のように景気の悪化という傷口が広がるということはなかったと考えているのです。
私たちは、今の経済の状況は戦後最悪なものであり、物価下落と経済停滞が何時に進行するデフレスパイラルの直前にあると認識しています。この状況を打開するためにはこれまでにない大胆な政策を打ち出さなければなりません。
そこで、私たち公明は、浜四津敏子代表が一月三十日、景気回復のために十兆円の減税を行うことを提案いたしました。内訳は六兆円の所得税、住民税、法人税の恒久減税、そのほかに消費税アップ分にほぼ見合う四兆円規模の特別戻し金を行う、消費拡大、景気浮揚のために一年間の期限つきの商品券でお一人ずつ三万円支給をするという提案をいたしました。これはもう総理もこの予算委員会等で御承知だと思います。
そこで、総理も所得税、住民税の待別減税はやらないやらないと言われながら、四月九日になりまして、ことしじゅうに二兆円の減税を上積みする、来年も二兆円の特別減税を継続するという記者会見をされまして、そしてまた今回の審議になっているわけです。もちろん減税になって因る人はいないわけですけれども、しかし一般世間ではこういう総理の対応について、後手後手で小出しである、そういうことも言う人が多いわけです。
それで、日経新間と日経産業消費研究所が四月十七日から十九日にかけまして緊急世論調査を行いました。それによると、九八年に行う四兆円規模の特別減税の実施で買い物や消費支出をふやすかという問いに対しまして、変わらないとの答えが七六・一%だったということなんですね。ですから、そうやって同じ減税をやるというふうに決断をされたのなら、どうして我々公明が提案をしているようなもっとどんと思い切ったこういう減税方式をおとりにならないんですか。
国務大臣(橋本龍太郎君) 今、所得税あるいは法人税等において六兆円規模というお話をいただきましたけれども、私どもは今、所得税と申しますより所得課税、法人課税と言いかえさせていただきましょう、それぞれについての検討を既に国民にその方向も含めて申し上けております。すなわち、所得税について、過去二度にわたる抜本的な税制改革の中で、大半のサラリーマンの方は一○から二○%の生涯の税率が連用される。最高税率の問題を徐きますと、フラット化が髄分進みました。一方で、累次にわたる減税の結果として、課税最低限が本当に他の国々に比して高い。そうしたことから、所得課税全体としては先進国の中で日本は一番低い負担で済んでおります。
同時に、こうした問題とあわせて、各種控除などのあり方でありますとか資産性の所得課税、あるいは年金課税「個人所得課税については、いろんな角度から御議論が既に出ています。ですからこうした課題について、政府税制調査会あるいは与党税制調査会におきまして、公正、透明で国民の意欲を引き出せるような制度改正を自指してきちんとした検討を進めていきますということを既に私も申し上げましたし、大蔵大臣も申し上げてまいりました。
また、法人課税につきましては、地方税としての法人事業税の問題を内蔵しておりますことは、きょう午前中、片山議員の御質問でも申し上げたとおりでありますが、三年以内、できるだけ早く国際水準並みにということで方向を出しております。
そして、商品券を国民に支給される、これはむしろ税というより私は給付金や何かと同じように歳出の方の措置だと思うのです。(「税金とは言っていないじやないか」と呼ぶ者あり)いや、先ほど十兆円の減税という言葉を使われましたので。そして、商品券等を配られるということでありますなら、私はこれは本当に歳出措置だなと思います。その場合には本人確認の問題とかさまざまな課題が現実に存在することも事実だと、そのように思います。
荒木清寛君 私も一遍に言いまして総理も一遍にお答えになりましたので、一項ずつやっていきますけれども、まず、この商品券方式という我々の提案が、それが歳出の措置なのか税の措置なのか、そういう法律論をここで議論しようという話じゃないんです。
しかし、三月二十四日の予算委員会におきまして、総理も御記憶があると思いますが、我が党白浜委員の質問に対しまして、こういうお答えなんですよ。「大きくその中を分けられまして、所得税減税ともう一つ、金券という戻し税を言われました。私は、その二つは確かに消費に与える影響には差があると思います。」、そうおっしゃっているわけですね。だけれどもできないと。
そうおっしゃった後で、しかし、その方式はとり得ない。なぜかというと、これは「財源構成の上から先ほど申し上げたような問題点がある」ということで否定をされているわけなんですよ。
要するに、確かに消費に与える影響には差がある、商品券方式の方がすぐれていると言われた上で、しかしそれは赤字国債の発行を伴う話であるからできませんということをおっしゃっているわけですよ。しかし今回、四月九日に総理御自身がもう四兆円のそういう特例公債を発行しで減税に踏み切ろうというふうに決断されたんですから、そうであれば、なぜ総理御自身がこちらの方が効果がありますという、我々の言っているような商品券方式をとらないんですかということをお聞きしたいんです。
国務大臣(松永光君) いかにして消費をふやすかということをお考えになっての提案だと思います。そしてアメリカでかつてやったことはあるそうでありますけれども、アメリカの場合には納税者番号制があるそうでありまして、本人確認がそれによってできる。日本の場合には納税者号制がありませんので、どういう人が所得税を納めているのか等々、本人確認が極めて難しい。そういったことから、税務執行の事務担当者の意見を聞きますと手続的に無理だという話でございました。
それからもう一つは、それをするとすれば、先ほど御指摘がありましたけれども……(発言する者あり)
委員長(遠藤要君) 静粛に。
国務大臣(松永光君)
当然のことながら、その財源は特例公債に頼らざるを得ない。後世代の負担においてそれをするということはいかがなものであろうかということでありますので、消極的にならざるを得ない、こういうことでありますので、御理解を願いたいと思います。
荒木清寛書 大蔵大臣、それはおかしいですよ。だったらどうして今度この委員会に特例公債を発行しての所得税・住民税減税を提案しているんですか。同じじゃないですか。
その点、まずお答えいただけますか。
国務大臣(松永光君)
これはしばしばお答え申し上げておりますように、特例措置として特別減税を実行することでありますが、それがほかの真に必要な社会資本投資とその他の措置とあわせて景気の浮揚に資するという考え方で実行するわけであります。
荒木浩寛君
ですから、私もこのような戦後最悪の不況にかんがみて、特例捨置として商品券方式でやったらどうですかということを提案しているわけです。
それは大蔵大臣、大臣も政治家なんですから、私は官僚の言うことばかり代弁する必要はないと思うんです。本当に大臣あるいは総理に生きた政治を実行しようという決意があれば、それはいろいろ技術的な問題はあるとは思いますけれども、そういうことは私は克服できる、そのように思っています。
そこで、また総理にちょっとお聞きしますが、先ほど所得税課税について、公正、透明で国民の意欲が引き出されるような税制の見直しということを再三おっしゃっています。そういうことを進められるんだと思います。
総理の描いておられる所得税の改革というのは、いわゆる税制の中立の改革なのか、それとも実質的な減税なのか、どっちを想定されて今回検討を指示されているんですか。
国務大臣(橋本龍太郎君) まず第一に、先ほど大蔵大臣からお答えをいたしましたのを私なりにちょっと補足させていただきたい、その戻し税方式。
これ私、一番問題は、その戻し税による金券を受けた方が追加的に何か物を買うのに充てていただいたときに初めてプラスが出てくると。本来、自分の暮らしのために必要な部分にそれをお使いになった場合には追加的な需要は生じないという問題は御論議の中でどういうふうに扱われたんだろうということなんです。追加的な需要になるんだろうか。そこに一つの問題点はあるんじゃないかという気持ちはございました。
それから、所得課税についての論議、政府の税制調査会は既に論議を始めてくれていると思いますけれども、中立あるいは何々という方向は私からはつけておりません。むしろ、所得課税全体の中で各問題点を詰めていった場合、それはどういう結果になるのか予測しがたい部分を持っておりますから、例えぱ資産性所得課税について、あるいは年金課税についてという問題点は既に私は申し上げておりますけれども、同時にその中には恒久的な地方税財源としての住民税も入っております。
これは法人課税における法人事業税の問題と同様でありまして、トータルの減税を立てていきますときに地方税財源という問題を超えていくわけにはいきません。超えてという言い方ばちょっと失札しました。飛ぱして議論をすることはできませんから、むしろ方向は論議の中からおのずから出てくる。しかし、増税になるようなことがあっては困るなと思いながら議論をお願いしております。
荒木清寛君 前段の部分、追加的な支出に回るかどうかということは、先ほども申し上げましたように、総理御自身が予算委員会の答弁の中で、効果に差がありますとおっしゃっているから私はお聞きをしたんです。
それで、所得税の改革、増税になるようなことは考えません、それは当然だと思いますが、ただしこういう議論もあるわけです。所得税、往民税の最高税率は引き下げるべきだ、課税最低限は下げるより仕方がないという見解もあるわけです。それは言葉は悪いてすけれども、いわゆる金持ち優遇というようなことになるわけでありまして、私は所得税減税の名のもとにそういうことがあるのであれぱ反対であります。
ですから、今申し上げましたように、減税の名のもとに低所得者に負担が重くなる、こういうことはまさかありませんね。
国務大臣(松永光君) 所得税改正の問題につきましては、既に委員も御承知と思いますが、公正、透明、そして国民の意欲を沸き立たせるような税の仕組みを検討していただきたいということを政府税制調査会に実は諮問をいたしまして、そして論議をお願いしているところであります。
なぜそういう仕組みになっておるのかというと、税というのは国民に対してどういう負担をお願いするかという問題でありますから、税についての専門的な知識や経験を持つていらっしゃる国民の代表的な方々に委員になつていただいて、現在、加藤寛さんが会長であったかと思いますが、その審査をお願いしておるわけであります。
具体的にどういう方向に行くかということを税制調査会の論議が深まる前に政府ないし大蔵省の側から方向性を示すということは税制調査会の論議について必ずしもいい影響を与えないから、とにかく学者として、専門家として、消費者代表も入っていらっしゃいますけれども、しっかり腰を据えて論議をお願いしたいというわけでお願いしているところでございます。
なお、委員御承知のとおり、総理からもしばしば御答弁がありましたけれども、我が国の所得税の税制、三千万とかそれ以上の人は非常に高い税率になっていますが、その他の方々については世界の中でも最もフラット化が進み、所得税の負担は軽い水準にとどまっているというのが実は現実の姿であります。
したがって、どの党も所得税減税とおっしゃっていますけれども、どういう階層のことを念頭に置いての主張なのかよくわかりませんものですから答えようもありませんけれども、とにかく税制調査会で既に基本問題小委員会というのができまして、その基本問題小委員会で腰を据えての議論がなされ、そして政府に対する答申がなされるものと、こういうふうに期待しております。
その答申を受けて、それを尊重しながら政府で減税に関する改正案をまとめまして、それを国会に提出して国会の御論議を得たい、こういうことになるわけでありまして、そのことはひとつ既に御承知と思いますけれども、申し上げておきたいと思うのでございます。
荒木清寛君 私が申し上げたいのは、所得税減税の名のもとに低所得者層の負担が増になる、もしもそういうことが予想されれぱ消費者心理というのはますます冷え込んでしまうということを申し上げたいわけでございます。
そこで、残された時間、この財政構造改革に関連して、徹底して税金のむだ遺いをなくすぺきだということを論じたいと思います。
今、不況によるリストラや就職難とは無縁な人々がいるわけなんです。去る五月十八日に平成九年分の高額納税者リストが公表されました。これを見ますと、元大蔵省事務次官長岡実氏を初めとしまして、各省庁の次官経験者等の高級官僚が一千万円以上の所得税を納めた高額納税者としてずらっと名を連ねております。その実態は、公務員を退官後に特殊法人や民間企業を短期間に幾つも転々として渡り歩き、そしてその都度退職金が雪だるま式に膨れ上がるという構図になっています。その一方で、この高額納税者リストを見ますといわゆるペンチャー企業の社長等は全然載っていないわけであります。
そこで、総理にお聞きしたいんですが、こういう事態は異常だと思いませんか。特に、国が補助金を出している特殊法人が多額の退職金を払っていく。例えば、建設省の高級官僚が道路公団の総裁に天下りをしますと、四年間勤めますと退職金が二千六百万円にもなる。まさに大企業のサラリーマンが一生働いた退職金を四年間で手にするわけです。私に言わせたらまさにこれは公費天国、高級官僚天国でありまして、こういう税金を使った官僚0Bの特別扱いというのは即刻やめるべきだと思います。総埋、いかがですか。
国務大臣(橋本龍太郎君) 確かに、議員からそういう御指摘があるということで新聞の切り抜きをきょう日を通してみました。こんな退職金が、すごいなと思った方も正直あります。
しかし、それは逆に、個人ではなくて特殊法人の役員の退職金というもののルールがどうであるか、あるべきかということでしょう。その場合に、特定された任期内におきましてその法人の業務の運営にどれだけ重要な責任を負うか。それは当然ながら民間企業の役員と同じような性格を有しているわけてす。
また、これは答弁資料をそのまま引用しますとおしかりを受ける可能性があるんです、事実と大分違うところがあるものですから。というのは、特殊法人の役員に民間人の起用を促進する必要があることから、支給基準について民間企業役員の退職金の支給基準に均衡を持たせているとあります。ただ、もし本当にそうだとするなら、私は特珠法人の役員に民間人がもっとたくさんいていいはずだと思いますけれども、現実にそれほど多数民間の方がおられるとは私には思えません。
そして、平成九年の人事院が実施した民間企業役員の退職金実態調査というものを見ますと、特殊法人役員の退職金の現行水準は民間の水準を超えておらず、必ずしも不当とは言えない状況という報告になっております。
しかし、いずれにしても、やはり御指摘を受けるようなことは本当に余り望ましいものではないと思いますし、民間から有能な人材を、起用するためにそれだけ退職金に魅力を持たせておるのなら、もっと民間から特殊法人によい人材をスカウトする勢力が払われてしかるべきだと私は思います。
荒木清寛君 それは望ましいことじゃないということはいいんですけれども、そうであればこの見直し、改革、是正に取り組んでいただけませんかということなんです。どう考えましても、閣議決定の基準によって四年間働くと十七・二八月分の退職金が出る、四年働くと一年以上の退職金が出るなんという会杜は民間にはないわけです。そういうことを国から補助金が出ている特殊法人がやっているんですから。
総理、それが余り望ましくないというふうに思われるんでしたら、直ちにこれは検討といいますか見直しを指示していただけませんか。
国務大臣(橋本龍太郎君) 私は、今の御意見は確かに承りました。そして、関係当局にそうした指示をいたします。その上で・…(発言する者あり)
委員長(遠藤要君)
静粛に。
国務大臣(橋本龍太郎君) その上で、現実に民間から人材を起用しようとした場合の苦労が非常に大きいことも事実として御理解はいただきたいと思います。
荒木清寛君 次に、公共事業問題につきましてお尋ねいたします。
私たちは、公共投資については、やるべきところはやる、やるべきものはきちんとやっていくというスタンスであります。しかし、むだ遣いというのは徹底的に見直していかなければいけない。これが本当の財政構造改革である。単に一律に七%カットするということが公共事業の改革ではない、そう思います、大蔵大臣もうなずいていらっしゃいますが。
そこで、これは総理にお尋ねしようと思いましたが、ちょっと中座されましたので、大蔵大臣にお聞きします。
この財政構造改革法にも公共工事の重点化と効率化ということがうたってありまして、施政方針演説でも総理がそうおっしやっています。では、実際、どのくらい総理、大蔵大臣のリーダーシップのもと、実態を伴った重点化、効率化ができているかということをお聞きしたいんです。
今、いろんな媒体あるいはいろんな方から公共事業のむだ遣いということが指摘されているわけでありまして、幾つかちょっと例をお話しいたします。
たった一軒の牧場に農道十五億円。これは四国のあるところですけれども、わずか八キロメートルの建設道路に九年がかりで総工費十五億円、利用するのは たった一軒の牧場、一メートルあたり二十万円。二つ目、環境庁特殊法人が国立公園に建てた幽霊ホテル、これは中国地方です。環境事
業団が約四十憶円の工費を投じてつくったホテルは、完成後四年を経過したが野ざらし状態だと。三つ目、総事業費百億円をかけた埋立工業地に風俗店。これは関西地方ですけれども、二十年前に工業用地を造成した。十分に活用されるどころか、そこには風俗店が建っている。しかし、それにもかかわらず、さらに二百五十億円を投じて残る海岸線を埋め尽くそうとしている。あるいは有名な話で、ウルグアイ・ラウンド対策費で全国二十八力所の温泉施設をつくったとか、あるいは今年限りで事業が廃止となった農道空港の問題。私は、今五つ指摘をいたしました。
このうち、幽霊ホテルなんというのは論外ですけれども、すべて何の役にも立っていないとは私は申し上げません。しかし、これだけ財政が逼迫しているときにあえてつくらなけれぱいけない施設だとはどうしても思えないんです。まだほかにもそれはいっぱいありますよ。
大蔵大臣は、こういう実態についてきちんと報告を受けていますか。また、今指摘した案件だけではなく、世上むだ遣いではないかというふうに指摘されている案件にどう取り組んでいかれるんですか。
国務大臣(松永光君) 委員がおっしゃいました、必要な公共事業はやるべきだと、社会資本整備は、しかし必要性の低いあるいはむだと思われるようなものはやるべきじゃない、それは全く私同感でございます。そういう形で歳出というものを制度、仕組みの根本にさかのぼってむだを省く、あるいは効率化する、重点化する、そういうやり方て歳出の縮減合理化を図っていくというのが財政構造改革を進めていく上でも大事なことだと、こう思っております。
そこで、平成十年度の予算におきましても、重点化、効率化を図るという観点から、経済構造改革の進展に資する物流効率化関連事業などに優先的な配分を行うとか、あるいは十八のダムを中止または休止するとか、十八の港湾を休止するとか、あるいは二つの干拓事業を中止するとか、そういった措置を十年度の本予算で実はしておるわけであります。
さらに、各省庁ごとに効率化とかあるいはむだなものをなくすとかやったのは、各省庁でやっている点があるわけでありますが、大ざっぱに言えばそういったことをやっておるわけであります。
補助事業についても、単に補助の要請があったからということでつけるんじゃなくして、それが本当に必要か、本当に現在の国民はもちろん、後世代の人もつくっておいてくれてよかったと感謝するかどうか、そういった観点から慎重に審査をした上で補助はつけるべきものだと、こういうふうに私は考えます。そういう方向で経費のむだを省く、同時にまた工事費についてもコストの縮減を図る、あるいは時の経過によって必要性のなくなったものは縮減するとか、そういったいろいろの知恵を絞ってむだを省く、効率化をする、重点化をする、コストの縮減をやる、こういったことでやっていくべきものでありますし、そういうことで私はこの公共事業予算というものは決めていきたい、こう考えているところでございます。
荒木清寛君 私は、具体的に指摘したことについで報告を受けて、把握をしていらっしゃいますかということを聞いたんです。
では、総理にお聞きしますが、総理も施政方針演説で公共事業の重点北、効率化ということをおっしゃいましたね。私は、そもそも公共工事というのはその内容や箇所づけにつきまして国会の議を経ることなく閣議決定で決まるというシステムそのものが問題じゃないかと思います。その結果、いわゆる族議員が激しい圧力をかけて分捕り合戦が起きるという実態があったんだと思います。だから、納税者の観点からいえぱ、公共事業の内容がオープンの場で議論されずに決まっていくというのは異常な事態ではないかと思うんです。
そこで、私からの提案ですが、少なくとも一定規模以上の公共事業につきましては国会での審議を義務づけるというようなことをお考えになったらいかがですか。
国務大臣(橋本龍太郎君)
私は、ちょっと中座をいたしまして、具体的に議員が指摘をされたという部分を聞き落としましたので、その点はおわびを冒頭申し上げます。
その上で、公共事業の再評価システムの採用を平成九年十二月五日に各省に対して指示いたしました。これは、再評価のシステムとなる事業の範囲は各省庁主管のすぺての公共事業を対象とするわけでありますし、また、再評価を実施するそのルールとして、事業採択後五年間を経過した時点で未着工の事業、あるいは一定期間を経過した時点で継続中の事業、これは物によって事業特性に応じ五年から十年という時間の幅を置いておりますが、社会経済情勢の急激な変化などによって見直しの必要の生じた事業、そして、その再評価の視点として事業の進捗状況あるいは費用対効果分析の要因の変化、地元の意向の変化といったようなこと、さらにコスト縮減の可能性とか代替案の立案の可能性、幾つかのポイントを置きながら、いかにこれに第三者の意見を加えるかという視点からの検討を指示いたしております。
その上で私は、必ずしも一つ一つのプロジェクトという形に、うまくそういう御審議になじむんだろうか。今の予算の仕組みからいきまして、総額を御論議いただく中で個別事項についてお尋ねがあればお答えをしていく。その中で、例えば一つの空港を例にとっていただき、その空港へのアクセスの道路の整備あるいはその他の関連する部分もまとめて御論議をいただくといったようなことはできるわけでありまして、金額で線を引いて、それ以上を国会の御審議に全部をゆだねるという手法が必ずしも私は望ましいとは思いません。事業の効率性といったことを考えましても、むしろより大きな御論議をいただぐことが可能であれば、せひそうお願いをしたいと思います。
荒木清寛君 今、総理は、第三者の意見もきちんと取り入れていくというお話をされましたね。そうであれぱ、私はもう一歩進めまして、公共事業監視委員会といった公共事業について強力な中止勧告権限を持つ第三者機関を設置するというようなこともぜひ検討していただきたいと思いますが、どうでしょうか。
国務大臣(瓦力君) ただいま委員から公共事業の再評価実施につきましてのお尋ねでございますが、格別総理並びに大蔵大臣から今それぞれお答えもございましたので必要なことだけ申し述べさせていただきますが、公共事業の再評価に当たりましては客観性、透明性の確保が重要でございます。そのことは十分認識をいたしておりますが、再評価システムでは、学識経験者等の第三者から成る事業評価監視委員会を設け、評価に当たりましてはその意見を聞き、尊重をすることといたしております。再評価の手続の透明性を図るため、評価手法でございますとか評価結果、対応方針については績極的に公表してまいる、こういうことで取り組んでおるわけでございます。
委員長(遠藤要君) 荒木君、時問です。
荒木清寛君 私は、歳出のむだを生む構造を抜本的に見直し、本当に必要な分野に財源が回るようにすることが真の財政構造改革だと思います。今回の改正にはそのような視点は十分ではないと私は考えます。また、我々が主張している恒久減税を実施する上でも今回の改正では不十分でありまして、財革法の執行を停止しまして、その間に根本的な改正を考えるべきである、そのように申し上げまして質疑を終わります。(拍手)
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