荒木清寛君 公明の荒木清寛でございます。この国鉄債務の処理の問題は決して先送りができない、そのことは我々も認識をしております。しかし、だからといって道理に反することをしてはいけない問題である、これもまた重要な原則でございます。
先ほど先行議員の質問の中で、マスコミも挙げて反対をしている、どうですかという話もございました。きのうは参考人で玉置参考人がいらっしゃいましたが、こういう発言がありました。ウォール・ストリート・ジャーナル、ニューヨーク・タイムズ、世界の名立たる新聞がJR追加負担を愚挙だと言って日本政府を笑い物にし、かつ怒りをあらわにしているではありませんか、このようにおっしやったんです。ですから、私も調べてみましたが、九月三十日付のウォール・ストリート・ジャーナルの記事とその訳文を国会図書館から入手したわけでございます。そこにはこういうことも書いてあります。
ジョン・ケディ議員、民主党だそうですが、ジョン・ケディ議員は経済における日本の信頼性は危機に瀕しているとことし早々に日本政府にあてた手紙に書いた、またその手紙に彼はJRグループに対して力ずくで追加負担を課すことになれば日本政府とアメリカ合衆国及びその他投資家との信頼関係は粉々になるであろうと書いたという紹介もございました。こういう手紙が来てどういう返事を日本政府は出したのか私は知りませんが、それにしましても、こういう筋の通らない法案を通してしまうということは国際的に見ても日本の信用を落とすことになるのではないでしょうか。そういう心配、その点を総理はどう考えていらっしやいますか。
国務大臣(小渕恵三君) 今回の国鉄長期債務の処理方策のうちJRの負担問題につきましては、どうも誤った情報によるものか、海外の関係者の一部には根本的な誤解があったように思われるということでございまして、今回の措置は我が国政府が民営化されたJRに利益の納付をさせたり国の債務の肩がわりをさせようとするものではない、そのようなことは政府としても国鉄改革に基づく我が国の民営化政策に合致するものではないと考えられるわけでございます。
今回、JRに負担を求めるのは、共済年金に係るJR社員分の移換金であり、自分の社員の福利厚生のための費用である、このような負担は民営化された企業としても自分で負担することは合理的な負担でありまして、また我が国政府としては、このような特定企業の社員の福利厚生のための費用まですべて一般国民の負担、すなわち税金による負担とするわけにはいかない、こう考えて今般この法律案を提出させていただいておるわけでございます。荒木委員が今御指摘をされました九月三十日付のウォール・ストリート・ジャーナル、これにつきましては、そういった経過につきまして、率直に申し上げてすべて御理解を願った上でなくて、既に民営化されておるので、民営化されたものについての株主の問題からこうしたことにつきまして御指摘のような論文が出されておるんだと思っておりまして、そういった点で、先ほど申し上げましたように、政府としては、その後のいろいろな経過につきまして十分御理解いただけますれば若干こうした誤解は解き得たものではないか、こう考えております。
荒木清寛君 その新聞には共和党の議負も批判しているという紹介もありますし、日本のマスコミがこぞって批判をするということは、私も新聞は全部読みますけれども、近時珍しいことではないかと思っているわけです。〔委員長退席、理事成瀬守重君着席〕それで、総理がおっしゃるように、追加負担が筋が通るのか通らないのか、限られた時間で繰り返しになる部分もありますが、議論をしたいと思います。その前に、国有林野の長期債務の問題についても一点だけお聞きいたしますが、平成九年六月三目に「財政構造改革の推進について」という閣議決定がございます。これは小渕総理も当時外務大臣として参加をされておりますから内容は十分御案内だと思います。その中で、農林水産に関する部分の(4)として、国有林野については、今後の行政改革の議論を踏まえた上で、森林のもつ環境保全等の公益的機能の発揮に留意しつつ、経営の在り方及ぴ組織等の抜本的な改革に取り組む。こうした改革や財政構造改革五原則を踏まえた上で、
・森林整備のための財政措置の在り方
・累積債務処理の方策
・森林からの受益に対応した税財源を含めた費用負担の在り方
等につき幅広く検討する。
とございます。
そこで、今回上程されておりますいわゆるたばこ特別税と、ここに言われています「森林からの受益に対応した税財源」とはどういう関係にあるんでしょうか。総理にお聞きします。
国務大臣(中川昭一君) たばこの話と林野から上がる収益との関係というような御趣旨の御質問かと思いますが、済みませんが、もう一度質問を繰り返していただけますでしょうか。
政府委員(寺澤辰麿君) 閣議決定と今回の法案のたばこ特別税の関係、事務的に一言、大臣が御答弁されます前に御説明をさせていただきます。御指摘の国有林野についての三つの検討項目のうち、先生の御指摘は森林からの受益に対応した税財源を含めた費用負担のあり方とたばこ特別税の関係でございましたが、たばこ特別税との関係でいいますとこの項目は関係がございませんで、累積債務処理の方策とたばこ特別税につきましては、今回の抜本的処理スキームの中で利払い費にたばこ特別税が充てられる。ただ、利払い費と申しますのは、二・八兆円を一般会計に承継をして一般会計が負担する利払い費に対しましてたばこ特別税が充てられるということでございます。
荒木清寛君 総理、農水大臣でもいいですけれども、そういうことじやなくて、この閣議決定の趣旨はそういう森林からの受益に対応した税財源も含めた検討をする中でこういう累積債務の方策を検討すると、素直に読めばそういうことでしょう。違いますか。
国務大臣(中川昭一君) 今回の抜本改正の国有林野特会の中では、国有林の中で上がっていくいろいろな収益、木材代金、地代あるいは林野代等の収益を一兆円の元本部分に関して特会の中でお返しをしていこうということであります。一方、二・八兆円につきましては一般会計の中でやっていくわけでありますが、今大蔵省の方からも説明がありましたように、二・八兆の利払い分につきまして、たばこ特別税と一般会計の中の農林水産予算とで折半をしてこの二・八兆の利払い費として返していくというスキームになっております。
荒木清寛君 いや、総理、そういうことじやなくて、やはりこの抜本改革というのはこういう受益に応じた税財源を含める中で債務を返していく、これがこの閣議決定の趣旨であって、今回の抜本改革と言われる法案はこの閣議決定を先送りして全く関係のないたばこ税を持ってきた、そういうことじやないんですか。だから筋が違っているんじやないでしょうか。総理、いかがですか。
国務大臣(中川昭一君) たばこの関係はあくまでも林野特会とは別の世界であるということを改めて申し上げさせていただきたいと思います。
国務大臣(小渕恵三君) なるほど、この平成九年六月三日の閣議決定におきまして、五原則を踏まえた上でということで、その中で累積債務の処理方策ということでございまして、それを幅広く検討した結果こうした考え方も生まれてきたと、こういうことだろうと思っております。
荒木清寛君 それでは、国鉄債務の方に移りますが、まず総埋に、今回のスキームというのは抜本改革なんでしょうか。
国務大臣(小渕恵三君) 抜本的改革ということは、それこそ元本、それから利息、こういうものを全部含めましてすべてにわたりまして解決できるということになることが抜本改革と言われますれば、これはそうしたことになっておらないということでございます。しばしば申し上げておりますように、現下の状況にかんがみまして、どうしても利払いが利払いを生んでくるというような状況でこれを進めることはできないというそれこそ最後の段階に参りまして、この問題の処理をまずは行わせていただきたい、そして元本につきましては将来にわたりまして検討を進めさせていただくということでございます。
荒木清寛君 運輸大臣にもお聞きいたしますが、今回の処理スキームは抜本的な処理策でしょうか。
国務大臣(川崎二郎君) 六十二年の改革当時に、再三申し上げておりますとおり、まず民営・分割という問題、そしてもう一つは清算事業団が長期債務と資産を引き継いで処理に当たる、そしてその資産の処理がある程度めどがついた時点で、当時は十四兆円を想定いたしていたわけでありますけれども、そこで最終的に清算事業団というものを解散するとか清算するか、そういうものをはっきりさせるということであります。そういった意味では、旧国鉄の身分を引き継ぎました国鉄清算事業団というものを解散させるというのはある意味では一つの結論であろうというように考えております。
荒木清寛君 いや、私は端的にこれは抜本的な処理スキームかどうかと。昨日の一般質疑では抜本的な改革であるという御答弁があったかと思いますが、いかがですか、運輸大臣。
国務大臣(川崎二郎君) 六十二年以来の改革を進めてまいって清算事業団をここで解散させる、一つの結論を得る、そういう意味では抜本的と言われれば抜本的かもしれません。そういう理解をいたしております。
荒木清寛君 そうしますと、総理と運輸大臣とは認識が違うわけですか。この法律案要網の趣旨によると、「当該債務等の抜本的な処理を図ることが緊急の課題となっていることにかんがみ、」ということで御提案になっている。総理は今、そういう元本を返さないという意味では抜本的なものとは言えないというお話であり、運輪大臣は清算事業団を解散するという意味ではある意味で抜本的であると。一体我々はこのスキームをどう認識したらよろしいでしょうか。総理、もう一回御答弁願えますか。
国務大臣(小渕恵三君) 運輸大臣が御答弁申し上げておりますように、清算事業団を解散して新しい時代に入りたいという意味では抜本的かもしれませんが、私が申し上げたのは元本の返済は残っておるわけでございまして、一般論的に一言えば、すべて元利返済をされましてきちんとした形の中で考えることが抜本的という考え方もできるだろうと思っております。しかし、今回の法律案でできますことは、今も申し上げたように、新しい今回なさなければならない措置をいたすという意味では、運輪大臣が今答弁いたしましたように、現時点におきましてはこれは抜本的と、こういうことなのかもしれません。〔理事成瀬守重君退席、委員長着席〕
荒木清寛君 小渕総理は抜本的改革でないと言われ、後段ではあると言われ、ますます我々は理解ができませんが、いずれにしましても、先ほどの質疑でもありましたように、郵便貯金からの二干億円というのは五年間しか入ってこないわけですから、六年後にはどうするのかという話になるわけです。そして、このスキームでは元本の返済については具体的に触れられていない。そのことは間違いないわけでございます。そういう意味で、昭和六十年以降のこの累積債務が増大した反省というのは、なぜもっと早く手を打たなかったのかと。それはもう再々、今回の委員会でも政府側からその反省が述べられているわけです。それをなおここに至ってご元本の返済については先送りというのがこのスキームであることはもう間違いないわけです。そういう意味では、総理、抜本的かどうかという言葉の論争をしておってもしようがないんでしょうけれども……(「統一見解」と呼ぶ者あり)出してもらった方がいいですか。ではその前に、このスキームは要するに抜本改革かどうなのか、その点についてまず政府の統一的な見解を出していただけますか。
国務大臣(川崎二郎君) 総理もお答えになりました日本国有鉄道清算事業団の債務等の処埋に関する法律、日本国有鉄道清算事業団を解散する、抜本的な処理を図ることが緊急の課題と。清算事業団という立場から見たら、まさに解散という抜本的なものであろうと。しかし、御批判をいただいておりますとおり元本問題が残るということで、総理がまあ抜本的といえば抜本的、いや、そうでないかもしれないという御答弁をされたと、こういうふうに理解しております。ただ、清算事業団という立場からすれば、まさに解散ということでありますから、私は抜本的な一つの処理であろうと思っております。
荒木清寛君 総理、いずれにしても元本償還のための財源をどうするのか、この点は言及がないわけですね。そういうことも含めた本当の抜本改革スキームをなぜ今回作成して我々国民の前に提案されなかったのでしょうか。私は、総合交通体系の見直しという中で、財源、税源も含めた見直しの中でこの元本をどう返すのかというのが本当の抜本改革であって、それをやっていただきたかったんですが、なぜできなかったんですか。もう技術的な話はいいですよ。
政府委員(寺澤辰麿君) お答え申し上げます。利払い費につきましては御指摘のとおり財源が個別具体的に確保されているわけでございますが元本償還のための財源は当面は一般会計の歳出、歳入両面にわたる努力により確保するという形でこのスキームが組まれているという意味で、元本についてもきちっとやりますということを政府としてこのスキームを決めますときに決定しているわけでございます。
荒木清寛君 ちょっと先ほどの総理の率直な答弁と違いますが、いずれにしましてもいずれかの時点でこの元本をどうするのかという話になるわけです。総理にお尋ねしますが、そのときに、よもやJRに直接あるいは間接にさらに負担を強いるということにはなりませんね。
国務大臣(小渕恵三君) そのようなことなしに私が言う抜本改革を行わなければならないというふうに考えております。
荒木清寛君 今、私は直接あるいは間接に負担をさせることはありませんねと。それはありませんということでよろしいわけですね。じや、もう結構です。それでは、もう時間も押してまいりましたので、今回の年金移換金の負担区分の変更は合理的であるという政府の立論に対しまして、いかに不合理であるかということを私は述べたいと思います。昭和六十三年一月二十六日の閣議決定では、「土地処分収入等の自主財源を充ててもなお残る事業団の債務等については最終的には国において処理するものとする」、もうさんざん問題になっておる閣議決定でありますが、この最終的な負担先にはJRは入っていなかったわけですね。総理、いかがですか。
政府委員(小幡政人君) お答え申し上げます。これは総理、運輪大臣からもたびたぴ答弁いただいておりますけれども、その閣議決定におきましては、将来国において処理するということ、いわばその段階においては決めていないということでございますので、JRについて負担を求めるあるいは負担を求めない等については、一切決まっていなかったという解釈でございます。
荒木清寛君 運輪大巨、私は衆議院の議事を起こした書類を持っておりますが、運輪大臣もそういう認識ですか。
国務大臣(川崎二郎君) 処埋するという表現には、まさに今政府の方からお話をさせていただいたとおりであります。ただ、国鉄改革の精神というものについては、るる申し上げているとおり、まず民営・分割、七社の自主独立経営、そしてこちらの清算事業団の債務を引き受け、資産をもらい、そして処埋をしていくということでありますから、それを両方合わせていくことはあってはならぬな、こういうことでお答えをいたしておるわけです。
荒木清寛君
ですから、この負担先にJRは基本的に入っていない。衆議院でもそうお答えになっておりますが、そういうことでよろしいわけですね。
国務大臣(川崎二郎君) 処理するという表現に入っているか入っていないかと言われれば、処理するはまさにそのときに考えるという話ですから、全くすべてのものが入る。しかしながら、国鉄改革の精神としては、清算事業団の負担というものをJRにまた戻すということがあってはならないと、私は精神の問題として申し上げております。
荒木清寛君 そうしますと、平成八年三月八日の閣議決定では、いわゆる移換金債務七干七百億円、最終的にどうするのか、これは「事業団の既存の債務等と同様の取扱いをするものとする。」ということですから、その精神においては、もうこれはこれ以上JRには回さないという、そういう理解になりますね。
国務大臣(川崎二郎君) まず、JRと清算事業団ということで負担という表現を使いました。負担を決めた。そして、清算事業団が解散をされる、そういう事態のとさには政府が処理するということですから、まさにそこで考える。そして、同様にというのは、その時期に同様にやらせてもらいますよということを申し上げております。
荒木清寛君 これはさんざんここで議論されてきたことですけれども、六十三年一月二十六日の閣議決定における国において処理するということは、国鉄改革の精神からすれば、もうそれ以上JRにツケは回さない、そういう解釈になるんだというお話だったでしょう。それと同様に、この七干七百億円の事業団負担の移換金債務も処理をするというのでありますから、その精神からしたら、これはもうJRにはこれ以上ツケを回さないという、先ほどの答弁からすればそういう話になるんじやないですか。
国務大臣(川崎二郎君) いろいろ申し上げておりますのは、国鉄再建監理委員会の時代から負担をするという表現と処理をするという表現を便わせていただいております。処理をするというのは、やはりその時点において国がどのような方策でどのような財源でこれを処理するかを考えますよ、実行しますと、こういうことを書いておる、私はこう述べているわけであります。
荒木清寛君 先ほどの答弁で、六十三年の閣議決定は処理をするというふうに書いてあるが、国鉄改革の精神を考えればもうこれ以上JRには回さないという趣旨だというふうにおっしゃったじゃないですか。
国務大臣(川崎二郎君) ですから、申し上げておりますのは、国鉄清算事業団のその当時の仕組みとしてその判断をしましたよと。ただ、今回のものは年金移換という新しい問題のテーマで、六十二年のテーマとは達いますよということはお話し申し上げております。
荒木清覧君 では、どうして同様の取り扱いをするなんということを書いたのか。少なくともJRとしてはもう平成八年の年金統合の時点において一干七百億円の負担をした、これで最後である、もうこれ以上のツケ回しはないと思ったって当然ではないですか。そのときに、いやいや、これは残った七千七百億円についても最終的にはまたおたくにツケが行くかもしれませんよと、そういう話をしたんですか。
国務大臣(川崎二郎君) 先ほどからお答えいたしておりますし、また川橋委員にもお答えをいたしました。確かに、官僚用語として処理するという言葉が、負担をするという言葉と処理をするという言葉を便い分けをしてきた。この処理するという言葉がある意味では行き違いになってしまったかな、そこが今JRの御理解をいただけない理由になっておるかもしれぬなと、これは私ども感じております。しかしながら、それではJRの職員の年金を払っていくために国民負担を求めるべきか、JRに負担を求めるべきかという議論になれば、これはまた別の話として私どもは御理解を賜りたい。したがって、今後も誠意を持って説得を続けるということでございます。
荒木清寛君 いや、大臣が今言われたことは、一遍契約で確定した債務も実質的な理由があれば変えてもいいよという話ですよ。だから、日本というのはルールがない国ですねなんて言われてしまうわけです。そこで、もうわずかですから、運輸大臣は退職手当についてもJRが国鉄期間分を含めて自分の社員の分を負担していることが国鉄改革の方針として決められているという趣旨の答弁をされ、これをJRの今回の年全移換金追加負担を正当化す
る論拠の一つとされていますが、そうですか。
国務大臣(川崎二郎君) 六十二年の改革時に、経営と労使の関係、これはもうJRは国鉄時代のものを引き継がない、こういう決定をされたところであります。しかしながら、従業員の福利厚生のための年金については共済年金という形で継続をしていく、そしてそれは今厚生年金に移換ということで問題になっておりますけれども、それが一つ決定された。それから、退職金の問題はどうしましょうかねということで、国鉄が切れるならば一たん退職金をそこで支払って新しい会社としてスタートをするのかどうか。その議論の中で、国鉄の職員がJRに引き継がれた場合、その職員の退職金はすべてJRで支払いますと、そこに新しい会社が設立した当時に四割程度の退職金が積まれていたということは事実でございます。
荒木清寛君 ですから、四割程度の退職給与引当金をもらって新会社に移行しているんですから、その国鉄の期間の退職金というのはJRが自分の懐を痛めて払ったんじゃなくて、その退職給与引当金で、それを原資として払っているんじやないですか。JRが払っているんじゃないじゃないですか。JRの負担において払っているんではないでしょう。
国務大臣(川崎二郎君) こういう想定はできないんだろうと思うんですけれども、JRに移られて、例えば一年で全員がおやめになったといえば当然六割は出さなきやならぬという理屈になるんだろうと思います。したがって、JRは当然負担をしていると。
荒木清寛君 いや、しかし実際JRになって一年間でみんなやめていないわけです。どうして四割かというと、これは平均在職期間が十二年、だからこの四割の引当金を複利運用すれば、それでもって全部払えるという四割なんですよ。ということは、結局この退職金だってJRの負担で払っているわけじやないです、もちろんやめるときにはJRの名前で払うんでしょうけれども。しかし、その原資は引き継いできた退職給与引当金なんですから、今回の年金のように国鉄分の分までJRが負担をするというのとは違うわけですよ。どうですか。
国務大臣(川崎二郎君) ちょっと理解が違うと思います。
要は、JRが継続して職員の退職金について責任を持つ。そして、四割の積み立てをしてあったということでありますので、四割積んであれば全部支払えるということにはつながらないと思っております。
荒木清寛君 ですから、これは大蔵省の税法の解釈によっても、十二年間平均して勤めるんだから四割を複利運用すれば何とかなるという、その四割じやないんでしょうか。私は、この退職金の今の問題をもってこの国鉄の期間の移換金の分までJRが払えというのはおかしいと思うんです。JRはその間については事業主でも何でもなかったわけです。別の会社だったわけです。別の会社の分の移換金までなぜJRは払わなければいけないのか。それは国民に負担を回さないからということでは決して正当化できない、私は重ねてそれを申し上げまして、質疑を終わります。(拍手)
|