--ダイオキシン類削減対策について質疑 3/11 国土環境委員会--
荒木清寛君 私も引き続いてダイオキシン削減対策についてお尋ねをします。
先ほど、大臣は、環境庁のダイオキシン対策予算、少ないといえば少ないと、率直な御感想だと思います。三億七百万円ですか。昨年、このダイオキシン対策に関する五ヵ年計画ができまして、大臣の所信にもその点お触れになっています。「平成十年度からの五ヵ年間に総合的な対策を順次行います。」という書き方なんです。私はこの「順次行います。」に非常に異論があるわけです。
道路の五ヵ年計画であれば順次やっていけばいい話でありまして、その間不便は我慢してくださいということで通るわけです。しかし、これはもう人間の健康、また生命にかかわる問題でありまして、ある意味ではそういう猶予が許されない問題なんです。ですから、五ヵ年計画でもいいですけれども、そうであればことしの初年度にも集中的に前倒しをしてやるという、そのぐらいの意気込みが必要じゃないですか。(「景気対策」と呼ぶ者あり)
国務大臣(大木浩君) 今、五ヵ年計画というのをスタートしたわけでございまして、順次というのは、もちろんその状況に応じて、前倒しといいますかできるだけ早くということは一般論として申し上げられますけれども、こちらの調査も限られた予算の中でやれることはまずやるということです。
しかし、先ほどからお話がございますように、どちらかといいますと環境庁の仕事というのが今まで調査、調査というところに非常に重点がございます。ただ、調査をやっている間にいろいろと実態が進んでいくというところは、そういうおそれはあるんじやないかということは十分に私はまた環境庁長官の立場からは痛感いたしますので、今おっしゃったような御発言は十分心にとめながらできるだけ早く、一般論的に言いますけれどもできるだけ早くいろいろな対策を進めたいと考えております。
荒木清寛君 今、景気対策という声がかかりましたが、どうも予算の修正になるのか、あるいは補正予算になるのか、まあ必至のようでございまして、そういうところにぜひ盛り込むべき事項であろうと私は考えます。
そこで、今調査というお話がございましたが、昨年の十二月十五日付で「下水処理場に係るダイオキシン類調査結果について」というのを発表されました。これによりますと、下水処理場とその近傍河川を調べたわけでありますが、「近傍河用でのダイオキシン類の平均濃度は、0.0001ナノグラム・パー・リッターであり、過去の公共用水域での調査結果と同程度又は下回っていた。」。特に問題はないみたいな書き方をしてあるんですが、この数値は、長官のおっしゃっている人の健康と生態系への影響の未然防止という観点から適正な水準なんですか、そうでないんですか。
政府委員(渡辺好明君) 水準自身、今先生が御指摘をされましたとおりの数字でございました。これをどう評価するかという間題は、実はこのダイオキシン濃度調査、長官からは五ヵ年計画という話を申し上げましたけれども、言ってみればプ
レ調査のような形で昨年三月に実施をしたものですから、もう少し私どもきちんと知見を集積いたしまして、その上でダイオキシン全体の間題として判断をしたいと思います。
荒木清寛君 これから調査していくという話なんですが、ただアメリカではもう一九八四年に環境保護庁が基準をつくっているわけです。これは水質についてのダイオキシンの基準でありまして、これによりますと0.013ピコグラム・パ−・リッター当たりという水準なんですね。仮にこの基準を先ほどの0.0001ナノグラムに当てはめてみますと、もうこの基準値の7.7倍という水準のダイオキシンが検出されているんです。これはもう明らかに問題がある数字じゃないんですか。もうアメリカは十年前にそういう基準ができていて、日本はこれからやるんですか。
政府委員(渡辺好明君) 実はこの数字につきまして二点お答え申し上げなきゃいけないんですが、八四年にこれは州政府が一つの提案として出しました数字なんですが、その後基準にはなっておりません。といいますのは、その時点でもそうですし、現時点でもそうですが、今おっしゃられましたような0.013ピコグラムというのが通常の機器で計測がどうも私どもの今の水準ではなし得ないというふうな状況もございまして、アメリカの中でもいろいろと御議論があるようでございます。
私ども、いずれにしても、国内だけではなくて、海外の情報もあわせて今後ダイオキシンの間題について知見を深めていきたいと考えております。
荒木清寛君 そそうすると、そのアメリカの基準というのは科学的検証にたえるものじゃないという、それが環境庁の見解なんですか。またそれは別の機会にやりましょう。
私は、この水質のダイオキシンを間題にしておりますのは、ごみ焼却施設からのダイオキシンの発生が大変間題になり、昨年の十二月に大気の基準を設定したわけであります。ところが、実はこれはもう政府の書類でも認めていらっしゃいますけれども、大気に排出されますのは二割であって、残り八割は焼却灰であるとか、飛灰ですね、灰のの方に残るんだという、これはもう通説だと思います。
そうしますと、その灰をどう管理するのか。特に焼却灰は水で冷やすわけでありまして、その冷却水をまた下水や川に放流するわけですから、そこからどの程度のダイオキシンが排出されるのかというのは実は大間題だと思うんです。まだプレ調査でこれからやりますということですけれども。実際に、ある地域での調査では、一般廃棄物焼却施設からの今言った放流水から高濃度のダイオキシン類が検出されたという、そういうことはもう環境庁は掌握していますか。
政府委員(渡辺好明君) 今御指摘の清掃工場からの排水についての高濃度のダイオキシンという間題は、多分、名古屋市が行いました市の六つの清掃工場の調査に係るものだろうと思います。六つございますけれども、五つは極めて間題のない水準というふうに承知をいたしております。これは未検出もしくは超微量ということで。ただ、残る一つ、鳴海工場において昨年三月の調査では排水1リッター当たり57ピコグラムということで、この水準自身は御指摘ありましたように相当に高い水準というふうに私も思います。ただ、その後六月から十月にかけまして排ガスのダイオキシン対策が講じられまして、その後の調査では1リッター当たり2ピコグラムということでございますので、大幅に改善がなされております。
先生も御指摘いただきましたけれども、排出源である焼却に伴う大気中への放出、これをとめるということがやはり一番必要なことだろうと思っております。
私どももこうした点から、先ほど来御説明申し上げておりますけれども、発生源対策をまずやる、そしてあわせて徹底した調査をするということで臨みたいと考えております。
荒木清寛君 これは三月四日の名古屋市会の本会議で、公明の加藤市会議員が質疑する中で明らかになったわけでございますが、今言った2ピコグラムに改善されたといっても果たしてこれが適正な数値かどうか。先ほどのアメリカの数値からははるかに高いわけでございまして。しかも、これが名古屋市の一清掃工場、焼却施設から排出されたという間題ではないと思うんです。八割、九割が焼却灰ということであれば、これは恐らく全国各地で調べていけばもっとすごい実態が私は出てくる話だと思うんです。プレ調査と先ほどおっしゃいましたけれども、私はこの一年間のうちに全焼却施設の放流水についてダイオキシン濃度をきちんと調査すべきだと思います。その上できちんと水質についても規制を設けるべきだというふうに、これは当然な話じゃないでしょうか。
政府委員(渡辺好明君) その点につきましても、二つ御答弁申し上げたいと思います。
一つは、御指摘がございました飛灰のようなものあるいは焼却灰のようなものにつきましては、現在、廃棄物処理法の中でかなり徹底した処分の方法も定まっております。時間の関係上多少はしょって申し上げますと、管理型の処分場もしくはそれと同等のレベルのところに埋め立てるというふうになってあります。その中で、排水の基準につきましても、いわゆる水濁法の排水基準と同様の基準に適合するような措置がとられておりますので、そういった点からある程度の対策は実施を
されているわけでございます。
同時に、ダイオキシン固有の間題として排水に係る発生源調査につきましては、大臣からも答弁申し上げましたけれども、十年度から始まる五ヵ年計画で実施をいたします。とりあえず平成十年度は、発生源調査ということで、排水につきまして21地点で調査を予定しているところでございます。
荒木清寛君 大臣、21地点、21焼却施設の排水について調べるということですけれども、
これだけ国民の健康不安が広がっている中であります。現に厚生省ですか、おととしの七月に大気については全部焼却炉を調べろという、実態把握をするということでやったわけですね。
ところが、排水については、ことしは21カ所所しかやりませんよと。全部で1600ぐらい市町村の運営する焼却施設があるわけですね。まことに微々たるものでありまして、これはやはり全焼却施設で、実際にある地域ではそういう高濃度のダイオキシンが出ているわけなんですから、排水についての調査をして規制を考えるべきじゃないでしようか。
国務大臣(大木浩君) このダイオキシンにつきましてのいろんな間題というのは、最近非常に先鋭化、先鋭化というとあれですけれども、意識されておるわけでございます。もちろん、環境庁としても全国的にどういうふうに対処するかということは考えていかなければいけませんけれども、なかなか環境庁が全国的にすぐにすべての焼却炉について行動を起こすということには、その前にやはり実態をきちっと調べるということがどうしても必要になってまいりますので、こちらとしても精力的に調査を進めながら、同時にそれぞれの都道府県あるいは市町村におきましてもそういった間題があるよということは随時というか常時指摘しながら、それぞれの措置を進めていただくということでありませんと、環境庁がいきなりある日急に各焼却場へ出かけていって何か措置を進めるということにはなかなか実際間題として相ならないんじゃないかというその辺のところは御理解いただきまして、しかし危険性につきましては、十分これからも各地方公共団体等々あるいは企業等々に十分にそういう情報を徹底させて、それぞれのところでもできるだけの措置はとっていただくというように並行的にひとつ進めさせていただきたいと思います。
荒木清寛君 縦割り行政の中でそういう苦しい立場もわからないわけではありませんが、ただ厚生省と相談をしてやるとか幾らでも方法があるわけですから、いかにもことしは21ヵ所しかやりませんよというのでは、国民の信頼にこたえていないと考えるわけです。
それで、焼却灰のことについてもお尋ねしますが、産業廃棄物の焼却灰あるいは燃え殻、これについては仮に管理型処分場に埋める場合には、セメントで固めるとか、あるいは薬剤処理をするとか、あるいは酸によって有害物質を取り除く等の処理が必要です、廃棄物処理法上。ところが一般廃棄物の焼却灰については、そのまま管理型処分場に埋めてよいということになっているわけです。このように処理の体系を変えてあるのはどういうことですか。
政府委員(小野昭雄君) 焼却灰と飛灰の処分の関係でございますが、飛灰だけの場合の最終処分につきましてはセメント固化等安全化のための処理を行った上で最終処理を行わなければならないというふうにされているところでございますが、飛灰と焼却灰の場合には通常そのまま処分をされているという実情でございます。
荒木清寛君 だから、産廃であれば焼却灰というか燃え殻というんですか、それはそのまま埋めてはいけないわけです。ところが、一般ごみの場合はどうしてそのまま灰を埋めてしまっていいと、そういう法体系になっているんですか。その違い、その区別をしてある、規制が緩い理由を私は聞いているんです。
政府委員(小野昭雄君) 産業廃棄物の場合につきましては、御案内のように物の生産等に使われた残渣が出てくるわけでございます。その中に含まれます焼却灰につきましても、いわゆる家庭ごみと比べまして有害物質が多いというふうな実情等がございますので、より厳しい基準といたしているというところでございます。
荒木清寛君 簡単に言うと、家庭ごみは紙その他であるから灰にそんな有害物質は出ないはずだと。ところが実際には、またこれもある地域では一般ごみの焼却灰から高濃度の有害重金属が検出されているという、こういう実態を環境庁なり厚生省は掌握していますか。要するに、産廃であれば規制に引っかかるような高濃度の有害物質が実際に一般ごみの焼却灰から出ていると。それも先ほどの市議会の質疑で大問題になったわけです。そういうことは把握していますか。
政府委員(小野昭雄君) 一定基準を超えるような有害物質が含まれているケースがあるということは聞いたことはございます。ただ、先生御指摘のように、個別にどういうものがどうという詳細はまだ把握をいたしておりませんので、御指摘ございましたので、そういった実態につきましても適宜把握をしてまいりたいと考えております。その実態に基づいて、どう対応するのかということは早急に検討すべき課題だというふうに考えております。
荒木清寛君 それは、今私が言った地域の実態を調べるという話なのか、それともこれを契機に全国的に本当に一般ごみの焼却灰をそのまま埋めてしまっていいのかという実態調査をするという意味なのか、どちらですか。
政府委員(小野昭雄君) 御指摘の一地域という意味で申し上げたわけではございませんで、ごみ処理というのは全国で日々行われているわけでございますので、環境庁ともよく御協議をしながら、全体としての把握をどう進めるかということ
については検討してまいりたいと考えます。
荒木清寛君 名古屋市で出ましたのは、鉛が産廃の基準値を超えるものが出ているわけです。しかし、別に名古屋市だけ特別なごみを燃しているわけじやありませんから、恐らく全国で調べればそういう実態が明らかになることでありましよう。
そうなりますと、先ほどおっしゃったように、一般ごみの焼却灰はそんなに危険性がないからそのまま埋めていいんだなんというそういう法体系は許されないはずだと思うんです。そういう法体系の見直しもきちんとやっていくという、そういう答弁だと聞いてよろしいですか。
政府委員(小野昭雄君) 先ほど私が御答弁申し上げましたことで、若千補足をさせていただきます。
いわゆる焼却灰について、そのまま埋めればいいということではございません。現在の処理基準では、遮水シート等を敷きました、あるいは遮水工等のあります管理型の最終処分場に埋めるということでございます。補足をさせていただきます。
それから、今御指摘の点につきましては、実態を把握いたしました上で、どのような対応をするのか、処理基準等の見直しが必要なのかどうかと
いう点については、その実態の分析に基づきまして検討すべきものと考えておりますし、当然環境負荷との関係もございますので、環境庁とも御協議をしながら進めていくことになろうというふう
に考えます。
荒木清寛君 では、後ほどその実態把握の結果についてもまた質疑をしたいと考えます。 以上です。
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