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二人の外交官の死を悼む

 イラクで復興支援にたずさわっていた二人の日本人外交官が、昨夜、何者かに襲撃をされ死亡しました。

 殺害された奥克彦参事官は、私が外務副大臣を務めていたころ国連政策課長の職にあり、沖縄への国連機機関の誘致問題などの仕事のサポートをしてくれました。潔癖で志が高く、愛すべき人物でした。ある国際会議の折りに、会場となった大手ホテルの支配人が儀礼的に差し出した名刺を受け取ることさえ、彼は、癒着を疑われることを恐れて躊躇していたことを思い出します。とても悲しい思いです。

 もう一人の犠牲者である井ノ上正盛3等書記官とは、直接の面識はありません。報道によれば、芯の強い人物であった由。アラビア語の専門家として、日本と中東との外交の進展に生涯をかける決意であったのでしょう。その遺志を、後輩が必ず受け継ぐことと確信をします。
 お二人の冥福を、祈ります。

 両名の殺害は、テロによる可能性か高いといわれます。そこでこの事件の発生を受けて、復興支援のための自衛隊の派遣について、政府がどう決断するかが問われます。

 テロに屈することで、テロリストの思うつぼとなることは避けなければなりません。しかし、事はわが国の要員の生命に関わります。人命という犠牲を覚悟してまで、イラクの復興支援に日本が関わるべきべきであるとは、思えません。

 諸外国とは、国民の意識も文化も異なるのであって、そのことによって何らかの外交的な不利益を蒙ることがあるとしても、甘受すべきではないでしょうか。

 私は、今は自衛隊の部隊を彼の国に派遣するタイミングではないと考えます。今後、その旨を強く主張してまいります。

2003/11/30

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