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裁判員制度の制度設計について」
[03.08.04]
現在、わが国の司法の大改革が進められています。
なかでも、司法制度改革審議会意見書が提言した「裁判員制度」は、国民主権の原理に基づき司法における「官から民へ」を実現する、目玉となる改革です。
この意見書では、裁判官と、選挙名簿から無作為抽出された者からなる裁判員が、共に評議し有罪無罪の決定及び刑の量定を行うものとされています。対象となるのは、法定刑の重い重大犯罪です。
裁判員制度は、市民と司法の距離を埋める最高の制度となりうるものと大いに期待されます。それだけに、政府の司法制度改革推進本部の検討会で審議されている、具体的な制度設計が極めて重要です。
特に意見が対立しているのは、裁判官と裁判員をそれぞれ何名とするかです。上記検討会の「たたき台」では、裁判官を3人・裁判員を2ないし3人とするA案と、裁判官を1ないし2人・裁判員を9ないし11人とするB案が、提示されています
裁判員がある程度の数をもたなければ、一般市民が実質的な関与を行うことはできません。専門家である裁判官の前で萎縮する結果となりかねません。他方で、あまり数が多いと実効的な評議が行えず、また国民の負担も重くなるとの欠点があります。その調和をどこに求めるかです。
B案については、アメリカ型の陪審員制度を念頭においており、「広く一般の国民が裁判官と共に責任を分担しつつ協働して裁判内容の決定に主体的に実質的に関与する」という意見書の制度設計にはそぐわないとの批判がありえます。しかし、市民の司法参加との観点からは、より魅力的な案であると思われます。
さらに、刑事事件での裁判員制度の実施からまずは始め、将来的には民事裁判や行政裁判にもこれを導入することを検討すべきであると考えます。
今後の国民的な議論が望まれます。
日銀による一層の金融緩和が必要
[02.09.29]
ワシントンで開かれていたIMFの国際通貨金融委員会(IMFC)が28日に採択した共同声明において、日本の金融政策について、「金融緩和がデフレの収束を助ける」として一段の金融緩和の必要性を示した、とのニュースに接しました。我が意を得たりの思いです。
「官から民へ」「国から地方へ」という、小泉内閣が進める構造改革を私は全面的に支持しています。しかし構造改革は、生産性の向上という供給サイドの改革である以上、これが景気回復に直結するものではないように思われます。少なくとも小泉総理からは、この点に関して分かりやすいメッセージは示されていません。
現在日本が直面している最大の課題がデフレ経済の克服であることには、それ程異論はありません。不良債権が増大しているのは、土地と資産の価格の下落が続いている結果であると分析されます。そして供給に対しての需要の不足というデフレギャップを解消するためには、政府とと中央銀行によるマクロ政策(財政拡張、金融緩和、あるいはその両方)を実行する必要があるというのが、伝統的な処方箋でありましょう。私は経済や財政の専門家ではないものの、その程度の基本的セオリーは十分に理解をしています。
公明党の神崎代表が、3兆5千億円規模の補正予算を編成して構造改革に資する公共投資を行う必要があると強く主張しているのは、そうした考えに基づいています。もちろん財政の拡張には、公共投資依存体質や腐敗の温床になるなどの弊害が指摘されるところであり、慎重な吟味が必要です。
一方で、日銀による現行の金融緩和は極めて不十分です。今回の共同声明が、日本を特に名指しをした上で一段の金融緩和を求めたことは、けだし当然です。高名な経済学者であるポール・クルーグマン教授は、日本銀行が物価上昇の目標値を公表した上で金融緩和政策を遂行するとの「インフレターゲット」の必要性を著書の中で明らかにしているところ、論旨は極めて説得的です。
私は、政府と日銀が綿密な政策協議を行った上で、デフレ克服に向けて強力な施策を推進することを望みます。
国際刑事裁判所設立条約への加入を急げ
[02.07.02]
国際社会にとってもっとも深刻な罪 (集団殺害罪、人道に対する罪、戦争犯罪等) を犯した個人を国際法に基づき訴追し、処罰するための常設の国際刑事法廷が「国際刑事裁判所(ICC) 」です。
去る7 月 1日に、国際刑事裁判所設立条約が発効したことを歓迎します。予想を上回る早い時期に発効を見たことは、人道に対する罪は国家主権の壁を超えて対処する必要があるとの認識が国際社会の潮流となっていることを示しています。
私たちは公明党は21世紀の日本を人道大国とすべきであるとの立場から、1998年11月の党大会の基本政策大綱においてすでに「国際刑事裁判所の創設」を提唱し、本年2月の衆院本会議における代表質疑などで本条約のわが国の早期批准を訴えて来ました。さらに党内に「国際刑事裁判所設立条約早期批准小委員会」を設置し (座長は私) 、この問題に最も熱心に取り組んでまいりました。
わが国は1998年のローマにおける外交会議に小和田恒国連大使 (当時) を派遣するなど、ICC 設立条約の採択に積極的に参画してきた経過があるものの、いまだ条約への署名・批准を行うことができません。なぜなら条約の締約国となる前提としての、刑事実体法及び手続法が整備されていないのです。この点で、現在衆院で審議されている「武力攻撃事態安全確保法案」の第21条第 2項において「国際人道法( 人道的観点から武力紛争において遵守すべき国際法規範) の的確な実施」を定めていることは評価できます。いわゆるジュネーブ諸条約等を実施するための国内法制が早く整備されることを期待します。
日本は、一日も早く本条約の締約国となった上で、米国や中国などにも加入を働きかける責任があると考えます。
強い外交を目指して
[02.05.16]
川口外相が先般発表した「開かれた外務省のための10の改革」を具体化するために「考える会」(座長は宮内義彦オリックス会長)が「中間報告」を提言しました。
本年7月中にも最終報告をまとめる予定で作業が進められています。
この中間報告の冒頭で「外務省及びその省員が自らを変える努力を行わなければいっこうに事態は改善しない」と指摘している点が、最も大事なポイントです。その意味で、「変えよう!変わろう!外務省」というグループが内部にでき、危機感をもって議論を行っていることを心強く思います。
それでは意識改革を促すためにはいかなる制度改正が必要なのか。私は、外交官という閉鎖社会の中でぬるま湯に浸かっていたことが、「誤ったエリート意識」を生み出した背景にあると考えます。したがって徹底した競争原理を導入することが肝要でありましょう。人事制度に関しての、「外部の有能な人材の(大使への)積極的な任用と数値目標の設定」「外部との人事交流の推進」などの提言は、直ちに実施する必要があります。
さらに提言が、ODAの総合戦略の策定に言及していることも、首肯しえます。
外交が国の基本的な機能の一つであることは当然です。強い外交のための改革の実現を強く願うものです。
「外務省改革」について
地元の支持者の皆様からいつも問われることの一つが、「外務省改革」です。
川口外相は、先般「開かれた外務省のための10の改革」を公表されたところであり、私は同外相の改革に向けての努力を全面的に支持してまいります。
それによると第一に、「不当な圧力の排除」として、「国会議員より職員に対して伝えられる問題については、書面で、大臣を含む政治指導層に報告し、省としての対応を決定する。この書面を、情報公開の対象にすることを検討する。」としており、賛成です。鈴木宗男氏問題からの教訓であることはいうまでもありません。
最も大事なことは、外務省職員の意識改革です。ことに、報償費を含むところの金銭(すなわち血税)に対しての考え方を全面的に改める必要があります。
この意識改革を促すための制度改革が急務であり、外相のリーダーシップに大いに期待をするものです。
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