治安の再生に向けて [2003.08.08]
警察庁のまとめによると、今年上半期の重要犯罪(殺人、強盗、放火、強姦、略取・誘拐、強制わいせつの各罪)の認知件数は前年同期比16.6%増の1万1304件に上り、これら犯罪の検挙率も48.6%と初めて5割を切りました。
今年は「治安回復元年」と名付けられ、上半期の刑法犯全体の認知件数は8年ぶりに減少したというものの、治安が改善しているとは言えません。
注目すべきは、凶悪犯(殺人と強盗、放火、強姦の4罪種)で摘発された少年(14才以上20才未満)は昨年同期比10%増で、10年前の2倍近くまで増えていることです(子供の数は減少しているのに)。また、凶悪犯で補導された14才未満の触法少年は87.1%も増えて131人となりました。
また、最近の凶悪犯の急増の原因の一つが、来日外国人(在日外国人以外)の犯罪の増加にあることも、統計上明らかにされています。
私たちは、治安の悪化の原因を冷静に分析して対策を立てなければなりません。
警察官の増員が一定の犯罪抑止効果を生むことは明らかであり、15年度予算では全国で4,000人の増員を実現しています。財政上の制約の範囲内で、警察官の更なる増員を実現してまいります。
来日外国人の凶悪犯の多くは不法残留者に見られることから、毅然とした入国管理が重要です。
少年犯罪対策の根本的見直しも求められます。少年に対する厳罰主義は短絡的ですが、単に少年を「保護」の対象と考えるのは、もはや限界です。
さらに家族とコミュニティの崩壊に関して、これを再構築する国民的な取り組みが求められます。
治安の回復に向け、危機感をもって頑張ります。
(以上については、「日本の治安は再生できるか」前田雅英著・ちくま新書を参考にしました)
個人情報保護法案について [2003.05.13]
個人情報保護法案など関連5法案の審議が参議院において始まりました。
義務規定と表現の自由などとの関係、「自己情報コントロール権」の導入の要否、いわゆるセンシティブ情報に対する規制のあり方、苦情の処理に主務大臣が関与をすることの是非など、多くの論点があり慎重な審議が必要です。
一連の法案はいわゆる対決法案であり、国民の注目を集めています。与野党共に、個人情報の有用性への配慮と個人の権利利益の保護を両立される必要性については認識を同じくするものの、ウエイトの置き方に差異があると思われます。
私は、情報通信技術の円滑な活用を図りながらプライバシーの保護を担保する仕組みとしては、政府案はバランスの取れた内容であると理解をしています。
緊迫するイラク情勢 [2003.02.17]
日米安保体制の下でわが国は平和と繁栄を享受してきましたし、アメリカの力を背景にすることなくして北朝鮮拉致問題の突破口が開かれることはなかったでしょう。またサダム・フセインが、不十分ながらも、国連安保理決議に基づく査察に応じる姿勢をようやく示し始めたのも、アメリカによる攻撃を恐れたからでありましょう。
緊迫するイラク情勢について、米国は、新たな安保理決議の採択を待たずに武力行使に踏み切る可能性があることを表明しています。
私は、究極的局面における必要悪として、平和を回復するための実力行使を否定はしません。湾岸戦争しかりです。しかし、「先制攻撃」も辞さないとの昨年来の反テロ戦略を用いて、現在示されている証拠の下で、新たな決議なくしてアメリカがイラク攻撃を行うことを果たして正当なものと評価しうるでしょうか。
アメリカを中心とする世界の安全保障体制は、同国が、圧倒的な経済・軍事的パワーを有することに加えて国際社会の中での信頼を獲得していることに由来しています。したがって超大国による「単独行動主義」による強硬策は、安定した国際秩序をかえって崩壊させかねません。
わが国は、国際的な包囲網によってイラクに対して武装解除を強く迫ると共に、主要国との協調に基づくアメリカの対応を求めるべきであると考えます。
教育基本法の改正は、拙速を避けるべし [2003.01.18]
教育基本法の改正が、争点の一つとなっています。
学級崩壊などの教育の荒廃は、懸念すべき重大事態です。しかしこうした問題が、国会における単なる基本法の改正で是正されるとは考えられません。
私が毎日利用する名鉄電車の車中では、ロングシートは6人がけにも関わらず、6人が整然と着席していることはあまり多くありません。譲り合いの精神は、どこへ行ったのでしょうか。足を大きく広げて座席に陣取り、大の大人が漫画を読みふける姿は正視に耐えません。新幹線に乗れば、車内放送での注意を無視して、皆、座席で携帯電話を使用しています。静粛なグリーン車で子供が騒いでも、親は注意をしません。
このような大人の姿を見て、子供は育っているのです。
大切なことは、地域や家庭を含めた大人社会が教育力を回復することではないでしょうか。大人が模範にならずして、立派な子供が育つことはありえません。
私は、先の臨時国会の代表質疑で申し上げた通り、教育基本法の改正については時間をかけて国民的な議論を展開するべきだと考えます。